| 特定非営利活動法人MOMO 設立趣旨書
「はじめに―10年の歩み」 わたしたちは、少子・高齢社会は避けて通れないと考え、歳をとっても障害をもっても安心して住み暮らし続けることのできる街づくりを模索してきました。その歩みは、ゴールドプランが策定された1989年に、厚木のまちにたすけあい・支えあいを拓こうと、家事介護サービスワーカーズ・コレクティブ「さち」の組織づくりから始まりました。福祉の大前提は住まうことの確保であり、その上に公的福祉を充実させ、さらに、市民が地域でおたがいさまのたすけあいシステムをつくることが必要と考えたからです。 10年経った今では、多くの人々にとってなくてはならない非営利・協同の市民事業として発展し、年間一万時間以上、厚木市内のホームヘルプ事業の 1/3強をワーカーズ・コレクティブ「さち」が担っています。その在宅福祉サービスは、一人一人の個性ある生活要求を充足するため、いつか自分もこんなサービスがあったらいいなと考えてつくった生活支援システムです。税金を使わない市民によるたすけあいを基本とした「参加型福祉」です。
さらに同じ年に、本厚木駅に近い旭町の土地を社会貢献として寄付してくれるという話を受け、1990年の福祉8法改正を待って、社会福祉法人「藤雪会」を設立し、ケアセンター「あさひ」の建設に取り組んできました。そして全国の各自治体が高齢者保健福祉計画の策定に取り組んでいた1993年には、ケアセンター「あさひ」がオープンし、厚木市での公的福祉の一角を担い、単独の在宅福祉通所施設としては全国ではじめて、在宅介護支援センターを併設しました。また、その運営の特徴は、職員で組織するワーカーズ・コレクティブ「きりん」が主体となり、名実ともに「参加型福祉」のモデルとして出発しました。 その後、ケアセンター「あさひ」は、食事部門を担うワーカーズ・コレクティブ「れーどる」を生み出し、厚木市での配食サービスのさきがけとなりました。さらにお出かけサービス、ワーカーズ・コレクティブ「キャリージョイ」を生み出し、高齢者や障害者の生活を支援する移動サービス事業も発展をとげました。
そしていま―住まいのチャレンジ しかし、私たちはこのことに満足することなく、「いつか自分もこんなサービスが あったらいいな」を実現するため、ワーカーズ・コレクティブで働いた報酬から、各メンバーが拠出金を積み上げ、安心して暮らしつづけられる在宅福祉を可能にする高齢者の住まいつくりを目指してきました。 来年2000年4月、「介護の社会化」を課題として介護保険制度が始まり、在宅福祉の充実が大きなテーマになっています。しかし、一人暮らしの高齢者が自宅で「ヘルパーが来るのだけが楽しみ」とか、老老介護の夫婦の介護者が倒れて、やむなく施設に入り、別れ別れに暮らす悲しい話などを繰り返し聞きます。また障害児者を介護する親は、「この子を残しては死んでも死にきれない」といいます。こうしたおおぜいのニーズに対して、公的福祉サービスだけでは、予算や実績から見てもとうてい「介護の社会化」を期待できません。 そこで私たちは、この町に、高齢者一人でも、家族いっしょでも、障害があっても、たすけあい・支えあいをよりどころに、いつでも必要に応じてサービスを得られる、安心して住み暮らせる場である「サービスハウス」をつくることにしました。
「新しい試みにぜひ参加と福祉資源の結集を」 私たちがめざすのは、入居した高齢者や障害者やその介護する家族を含めて、それぞれ自立した個人の家として住み暮らし、必要に応じて生活支援サービスを受けながら、安心して地域社会で暮らすことの出来る、開かれた「サービスハウス」です。その運営主体として、「特定非営利活動法人」を新しく設立し、介護のほか、食事や掃除・洗濯など各種生活支援サービスを担うワーカーズ・コレクティブを生み出します。 この新しい試みを、社会福祉法人「藤雪会」、ケアセンター「あさひ」を担う3つのワーカーズ・コレクティブ「きりん」「れーどる」「キャリージョイ」、家事介護のワーカーズ・コレクティブ「さち」、新しい働き方のグループ「ワーカーズ・コレクティブ連合会」、「生活クラブ」「福祉クラブ」「コミュニティクラブ」の3生協、コミュニティリビングづくりの「オルタスクエア」、神奈川ネットワーク運動の「参加型福祉研究会」、厚木ネットなどが支えます。施設は(株)カルソニックの協力を得られることになりました。
この試みに多くの心ある組織や個人のご理解をいただき、ぜひその知恵・時間・労力・そして資金を出し合って、おおぜいによる「参加型福祉」による社会的福祉の充実に向けた試みを成功に導くためご協力いただきたく、ここに呼びかけます。
1999年12月26日 特定非営利活動法人MOMO準備会代表 又木京子
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